← 読みもの一覧

行動・自己分析

仕事の優先順位がつけられないとき|次の一件の決め方

仕事の優先順位がつけられないときに、締切・待っている人・止まる工程・確認期限を整理し、次に着手する一件を決める方法を紹介します。

仕事の優先順位がつけられないとき|次の一件の決め方のヒーロー画像

仕事の優先順位がつけられないとき、すべての仕事を一位から順に並べようとすると、比べる項目が増えて判断しにくくなります。まず決めたいのは、いま着手する一件です。その一件を終える条件も決めます。

判断には、仕事ごとの「締切と提出先」「待っている人」「遅れると止まる工程」「確認期限」を使います。この4項目を比べれば、期限の近さだけでは見えない影響も確認できます。自分に決定権がない仕事は、推測で順番を決めず、「確認案件」として分けます。

この記事では、全部急ぎに見える場面、締切が同じ場面、作業中に割り込みが入った場面を例に、次の一件を選ぶ手順を説明します。

仕事の優先順位がつけられないときは、全件ではなく次の一件を決める

優先順位を決める目的は、きれいな順位表を完成させることではありません。次に何へ着手するかを決め、必要な相手へ渡せるところまで進めることです。

たとえば、手元に六件の仕事があるとします。六件を厳密に並べるには、途中で変わる締切や依頼者からの返答まで予想しなければなりません。しかし、現時点で二番目以降の順番を決めても、新しい依頼が来れば並べ直すことになります。

そこで、一覧を次の三つに分けます。

  • 着手候補:必要な情報がそろっていて、自分で始められる仕事
  • 確認案件:期限、範囲、順番などを相手に確認する必要がある仕事
  • 待機案件:返答や資料が届くまで進められない仕事

この中から選ぶのは、着手候補の一件だけです。確認案件には質問を送り、待機案件には返答を確認する時刻を記録します。状態の異なる仕事を同じ順位表で比べないことがポイントです。

仕事だけでなく生活上の用事も重なり、一覧を作る前の段階で止まっている場合は、やることが多いときに最初の一件へ絞る方法も参考になります。

まず仕事ごとに4項目を一行で記録する

案件名だけを書いた一覧では、仕事が遅れた場合の影響を比べられません。「見積書」「会議資料」「問い合わせ対応」と並べても、誰がいつ必要としているのか分からないためです。

一件につき一行を使い、次の4項目を記録します。

  1. 締切と提出先:日付だけでなく、分かる範囲で時刻と渡す相手を書く
  2. 待っている人:提出や返答を待っている人を書く
  3. 遅れると止まる工程:自分の仕事の後に始まる確認、承認、発送などを書く
  4. 確認期限:不明点をいつまでに誰へ確認するかを書く

記録例は次のようになります。

仕事締切と提出先待っている人止まる工程確認期限
発送資料今日15時、担当者確認担当確認後の印刷と発送記載範囲を11時までに確認
社内記録今日17時、共有フォルダ直属の上司特になし不要
見積回答時刻不明、取引先営業担当と取引先先方への回答営業担当へ10時30分までに確認

分からない項目を推測で埋める必要はありません。「不明」と書き、誰にいつまでに尋ねるかを確認期限として決めます。不明点が見えると、いま進められる案件と、先に質問を送る案件を分けられます。

全部急ぎに見えるときは、締切の時刻と遅れた影響を分けて比べる

依頼者が全員「今日中」と伝えていると、全部急ぎに見えます。しかし、「今日中」という言葉だけでは、実際に必要な時刻や後続作業の有無が分かりません。

最初に、締切の日付、時刻、提出先を確認します。「今日中」をそのまま一覧へ写すのではなく、「15時までに経理へ」「17時までに課長へ」「終業までに共有フォルダへ」と具体化します。

次に、遅れた場合に誰のどの工程が止まるかを確認します。午前中に確認担当へ渡す必要がある資料は、その後に修正や発送が続きます。一方、自分が共有フォルダへ保存すれば完了する記録は、同じ今日中でも後続工程が異なります。

比較するときは、次の順に質問します。

  1. 提出時刻が明確に決まっている仕事はどれか
  2. その時刻までに、別の人による確認が必要な仕事はどれか
  3. 遅れると、ほかの人が作業を始められない仕事はどれか
  4. 期限や影響が不明で、先に質問を送る必要がある仕事はどれか

この比較では、「依頼者が強い口調だったから」といった印象ではなく、記録できる条件を使います。質問への返答が来るまで進められない仕事は確認案件へ移し、その間に着手できる一件を選びます。

締切が同じなら、待っている人と止まる工程を確認する

締切が同じ仕事は、提出後の流れを比べます。例として、どちらも17時締切の二件を考えます。

一件目は、提出後に同僚が内容を確認し、修正後に発送する資料です。二件目は、共有フォルダへ保存すれば完了する社内記録です。この場合、一件目が遅れると、同僚の確認と発送も後ろへずれます。そのため、後続工程の開始条件になっている一件目から取りかかるという判断ができます。

ただし、後続工程がある仕事を常に優先するという意味ではありません。提出内容がまだ決まっていない場合や、確認担当が不在の場合は、先に確認が必要です。現在分かっている締切、相手の予定、必要な資料を使って判断します。

依頼者の肩書や連絡の回数だけで決めると、実際に止まる工程を見落とすことがあります。「誰から頼まれたか」だけでなく、「誰が待っているか」「次に何が始まるか」まで一行に書いて確認します。

所要時間が分からない仕事は、完了時間ではなく最初の確認点を決める

内容をまだ確認していない仕事は、所要時間を見積もれません。「たぶん一時間」と数字を置いても、必要資料の不足や確認事項が後から見つかることがあります。

この場合は、完了までの時間ではなく、最初にどこまで確認するかを決めます。

  • 依頼文と添付資料を開く
  • 提出物の形式と必要項目を確認する
  • 手元にない資料を一つ書き出す
  • 自分で決められない点を一つ書き出す

たとえば、資料作成の依頼を受けたものの、分量も必要なデータも分からないとします。最初に依頼文とひな型を開き、必要な数値がそろっているかを確認します。数値がそろっていれば、そのまま着手候補に残せます。担当者への確認が必要なら、質問内容と回答が必要な時刻を書いて確認案件へ移します。

ここで行うのは、仕事を完了させる作業ではなく、着手できる条件がそろっているかの確認です。確認後に判明した締切、待っている人、止まる工程を一覧へ戻し、そのまま続けるか、別の一件へ移るかを選び直します。

自分で順番を決められない仕事は「確認案件」へ移す

二人の依頼者から競合する仕事を頼まれた場合や、期限の表現が曖昧な場合は、自分の判断だけでは順番を確定できないことがあります。これは優先順位を考える力の問題ではなく、決定に必要な情報や権限が不足している場面です。

確認文には、現状の予定、競合する案件、返答してほしい時刻を入れます。

Aの資料を先に進め、14時までに初稿を送る予定です。Bも本日中とのことですが、Aより先に提出する必要があれば、11時までにお知らせください。

「どちらを先にすればよいですか」だけでは、相手が二つの仕事の状況を把握していない場合があります。案件名、現在考えている順番、分かっている締切や影響を添えると、相手が判断するための材料を共有できます。

返答が来ない場合の扱いも確認しておきます。職場の連絡ルールや自分の役割に応じて、「指定時刻までに返答がなければAから進めます」と予定を共有する方法があります。自分にその判断権限がない場合は、上司や担当者へ報告し、判断を求めます。

優先順位を確認したいのに質問を切り出しにくい場合は、職場で質問できないときに内容と伝え方を整理する方法も参照できます。

次に着手する一件を決めたら、終える条件まで書く

「報告書を進める」という書き方では、どこまで進めれば次の仕事へ移れるのかが分かりません。着手する一件を選んだら、「誰に何を渡せば一区切りか」まで書きます。

たとえば、「報告書を進める」ではなく、「数値欄を確認し、課長へ初稿を送る」とします。この条件なら、文章全体が確定していなくても、初稿を送った時点で案件の状態を「相手の返答待ち」へ移せます。

一区切りの条件には、次の三点を含めます。

  • 確認または作成する範囲
  • 渡す相手または保存する場所
  • 渡した後の状態

たとえば、「見積書の金額欄を入力し、営業担当へ確認依頼を送る。送信後は返答待ち」と書けます。完成、提出、確認待ちを区別すれば、返答待ちの仕事を何度も開いて確認する必要がなくなります。

一件を選べても開始地点で止まる場合は、やることが決まっているのに着手できないときの切り分け方で、資料不足や手順の不明点を確認できます。

割り込みが来たら、いまの仕事と同じ4項目で比較する

新しく届いた依頼は、目に入った時点で急ぎに見えやすいものです。しかし、新しいという理由だけで現在の仕事を中断すると、すでに動いている後続工程への影響を見落とします。

割り込みが来たら、新しい依頼にも「締切と提出先」「待っている人」「遅れると止まる工程」「確認期限」を記録します。そのうえで、現在進めている一件と比較します。

現在の仕事を止める場合は、再開位置を一行残します。

3ページ目の数値確認から再開。表2は未確認。参照元は月次集計ファイル。

再開位置には、次に開く箇所、未完了の範囲、参照する資料を書きます。「途中」とだけ残すのではなく、戻ったときに最初に行うことを特定します。

残り時間も確認します。終業まで一時間しかなく、現在の仕事と割り込み依頼の両方を予定の範囲まで終えられない場合は、両方を抱えたまま進めるのではなく、提出範囲や期限を確認します。「今日は数値欄まで提出し、説明文は明日午前に送る」といった分割が可能か、依頼者に尋ねます。

優先順位を更新しても、依頼を引き受けすぎて予定に収まらない場合は、引き受ける範囲と予定の境界を整理する方法が次の検討材料になります。

終業前の記録で、翌日の最初の一件を決める

終業前に長い反省を書く必要はありません。各案件について、「完了」「相手の返答待ち」「次に必要な行動」の三点を更新します。

状態記録例
完了発送資料を担当者へ提出済み
相手の返答待ち見積金額を営業担当へ確認中。明日10時に返答を確認
次に必要な行動社内記録の添付ファイルを追加し、共有フォルダへ保存

持ち越す仕事は、締切や後続工程に変化がないかも確認します。担当者から返答が来た、会議時刻が変わった、必要資料が届いたといった変化があれば、4項目を更新します。

最後に、翌日の最初の一件と一区切りの条件を書きます。「朝一番に見積書」ではなく、「9時に見積書の修正点を確認し、営業担当へ再送する」とします。翌朝に状況が変わっていたら、その時点で比べ直します。前日に決めた順番を、状況が変わった後も守り続ける必要はありません。

よくある質問

すべての仕事を「今日中」と言われたら、どう決めますか?

それぞれの提出時刻と提出先を確認します。次に、提出後に誰の確認や作業が続くかを比べます。時刻が不明なら、「今日中とは何時まででしょうか。提出後に確認する方はいますか」と質問します。回答を待つ間は、条件が明確で着手できる一件を進めます。

上司が優先順位を示してくれない場合は、どう伝えますか?

判断を丸ごと委ねるのではなく、現時点の案と競合する案件を示します。「Aは15時提出で、その後に確認作業があります。Bは17時提出です。そのためAから進める予定です。順番を変える必要があれば11時までにお知らせください」と伝えます。ただし、期限や順番を自分で設定できない職場では、定められた報告経路に従って確認します。

作業中に依頼が増え続ける場合は、毎回中断すべきですか?

毎回中断するのではなく、新しい依頼を同じ4項目で記録します。現在の仕事より締切が早いか、待っている人がいるか、遅れると止まる工程があるかを比べます。中断が必要なら、再開位置を残します。残り時間に収まらない場合は、優先する案件や提出範囲を依頼者または上司へ確認します。

短時間で終わる仕事から片づけてもよいですか?

短時間で終わることは判断材料の一つですが、それだけで決めると、後続工程がある仕事を遅らせる場合があります。先に締切と影響を確認し、その差がないときに所要時間を比べます。所要時間が不明なら、根拠のない数字を置かず、最初の確認点まで進めます。

仕事を選ぶときの自分の条件を振り返る

仕事の順番には、締切や後続工程だけでなく、自分が着手しやすい条件も影響します。締切が近い仕事から始めやすい人もいれば、内容が明確な仕事や、相手が待っている仕事を先に選びやすい人もいます。どの傾向がよいかを決めるのではなく、実際に選んだ仕事の条件を記録して確認します。

一日の終わりに、次の三点を短く記録すると、自分が順番を決めた場面を振り返れます。

  • 最初に選んだ仕事には、どの条件があったか
  • 後回しにした仕事では、何が不明だったか
  • 抱えたままになった仕事は、自分で決められる範囲だったか

仕事の優先順位がつけられないときは、全件の正解を探すのではなく、4項目を記録して次の一件を決めます。判断できない仕事は確認案件へ移し、現在の予定と返答が必要な時刻を伝えます。割り込みがあれば同じ項目で比べ、残り時間に合わせて提出範囲や順番を更新します。

仕事が進みやすい条件を整理したい方へ

記事で作った仕事の一覧を手元に置き、BANSOの無料診断で、仕事が進みやすい条件や抱え込みやすい場面を振り返れます。診断結果は、優先順位の正解を決めるものではありません。次に確認する条件や、周囲へ伝える内容を整理する材料として利用できます。

BANSOの無料診断を始める

関連記事